洛和会音羽病院 総合内科 病院総合医養成プログラム

洛和会音羽病院 総合内科では、かねてより病院総合医の教育に力を入れてきました。従来、当科では、卒後3年目~5年目を対象とした後期研修プログラムを設けておりましたが、卒後6年目以降の医師が総合内科トレーニングを希望した場合のニーズに答えるために、新たに「病院総合医養成プログラム」を設け、教育環境を整えることにしました。

洛和会音羽病院 総合内科について

当院は由緒正しい研修プログラムで、互いに教え合って学び合う文化が定着しています。診断学を重んじ感染症に通じるだけでなく、人格の涵養や死生観にも目を向け、包括的な医療を提供する“Generalist”を育成します。また、定期的に米国から医師を招聘し、臨床留学も支援します。京都の奥深い文化と滋賀の雄大な自然とに囲まれ、大阪は電車1本で30分と抜群の立地にあります。
米国流を偏重しない、地に足のついた“大人”の内科学を一緒に実践しませんか?

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対象となる方

  • 後期研修で専門領域のトレーニングを受けていたが、再度内科の全般的なトレーニングを積みたいという方
  • 総合内科領域をさらに深めたい方
  • 家庭医をめざしているが、一定期間地域中核病院での入院、外来、ER患者の総合内科的マネージメントを学びたい方
  • 開業前に総合内科の経験を積みたいという方

など、意欲ある元気な若手医師を募集しています。

募集概要

プログラム責任者 神谷 亨(感染症科 部長)
対象者 卒後6年目以降の医師
研修期間 2年間
募集人数 2~3人
応募期間 2019(令和元)年12月末まで
(見学・お問い合わせは随時受け付けております)
教育方針 自己学習する能力、他者と知識を共有する能力、臨床的問題点を抽出し、自ら解決しようとする能力、鑑別診断能力、コミュニケーション能力、社会的問題解決能力などの向上に努める。高齢者医療および、終末期医療の現状と問題点を認識し、積極的に関わる。研修医教育に積極的に関わる。人格向上をめざす。
ローテーション 他科ローテーション期間:2~3カ月間/年
2年次のうち3~4カ月間は、総合内科のチームリーダーとしての役割を担うことを目標とする。
関連する認定医・専門医制度 日本内科学会総合内科専門医取得のための内科研修、日本プライマリケア連合学会の家庭医療専門医、またはプライマリケア認定医取得のための内科研修
選考方法 履歴書、推薦状1通、面接

研修後の進路について

  • 当科のスタッフとなり総合内科領域の経験を深め、後進の教育に当たる
  • 当院、または他院で家庭医のトレーニングを継続する
  • 当院、または他院での専門領域のトレーニングに移行する
  • 総合内科医として地域医療の現場で力を発揮する
  • 地域で開業する

など

先輩医師からのメッセージ

片山 順平

[平成18年 浜松医科大学卒、平成25年より当科にて研修(平成27年記)]

2年間の初期研修を修了後、地方の地域中核病院で循環器内科の後期研修を行いました。経験を積んでいくうちに、高齢患者さんの診療を行うには、一般内科医としてのトレーニングが不足していることを感じました。卒後7年目に洛和会音羽病院の総合医フェローシップ プログラムについて興味をもち、卒後8年目から当院で勤務しています。応募する際には、5年間やってきた専門科の臨床から離れることに大いに迷いましたが、今となっては大変満足しています。

総合内科の領域は広げようと思えばどこまでも広がり、2年間という月日はあまりにも短いですが、酒見副院長・神谷部長の回診や、総合診療科のカンファレンスなどで、ロジカルな考え方を学び、診断困難症例へのアプローチの仕方を身につけることは可能だと思います。

また、多彩な内科疾患患者さんが受診するERでの研修も、大きな収穫でした。救急業務について正しい教育を受ける機会もなく、付け焼刃的な対応で救急外来の当直が行われている病院が多数あるなかで、24時間常駐する救急専従医とともに業務を行うことで、内科救急や外科救急の“正しい”対処法を勉強することができます。

そのほか、向上心あふれる先輩・後輩に囲まれているという環境も刺激的です。これまでは、自分の専門領域についての知識ですらアップデートをあまりしていませんでしたが、当院に勤務してからは、専門領域をはじめとして興味のある分野の知識のアップデートを行う癖がつきました。

上に挙げた以外にも数多くの学びがあり、フェローシップ修了後も、当院 総合診療科で引き続き勤務しています。
総合内科の基礎(特に診断までのプロセスやuncomplicatedな感染症の正しい治療法)を学びたい方、高齢者医療を学びたい方などに、特におすすめします。

西脇 聖剛

[平成20年 大阪医科大学卒、平成25年より当科にて研修(平成27年記)]

私は後期研修医として3年間消化器内科を学んだ後に、医師6年目から、洛和会音羽病院 総合内科に勤務しております。
以前から自分のなかで「身体全体を診られる医師」に漠然とした憧れがありました。以前勤務していた病院でも、専門研修を行いながら、救急外来や一般内科外来で経験を積む機会は多くありました。しかし、年数を経ていくうちに、基礎となる内科の知識が乏しく、目の前の患者さんが本当に困っていることに対応できず、自らの理想の医師像から離れている自分に気が付きました。

自己の範囲では解決できない問題も多く、実際に内科トレーニングを受けて学び直したいという思いが次第に強くなっていきました。そんな折に総合診療科の神谷先生の病院総合医養成プログラム募集のメールを見て、自分のなかで「これだ!」と直感し、現在に至っています。

思い切って飛び込んでみたものの、当初は鑑別診断のトレーニングである昼カンファレンスやチーム内での病棟回診、まとめファンレンスでも全くついていけませんでした。やる気と自信に溢れた自分より、若い医師や学生たちがディスカッションしている場面を見て、焦りを感じざるを得ませんでした。
それでも、医学教育センター 所長の酒見先生、神谷先生をはじめとする教育熱心な大先輩方や後輩たちから学ぶことは新鮮で、少しずつですが、自らの知識として身に付いてきていることを実感できるようになりました。やはり実際に経験しないとわからないことも多く、今となっては飛び込んで良かったと本当に思います。

消化器内科で学んだ経験も、もちろん今の自分に役立っており、臨床医としての土台が強くなったことを実感しています。現在、自らの希望で週1日の上部消化管内視鏡と大腸内視鏡も継続しており、専門医スキルの維持と向上の面でも満足しております。まだまだ学ぶことも多いですが、将来は「ジェネラルマインドをもった専門医」を目指し、今後も努力していきたいと思っています。

私が病院総合診療医フェローシップで研修した2年間で良かった点を挙げてみます。

  • 内科全般のトレーニングをやり直す機会となり、専門医として内科医として成長できた。
  • 専門からいったん離れたことで、客観的に自分の専門を見ることができ、その魅力を再確認した。
  • 向上心とやる気にあふれるドクターたちと仕事をすることで、医師としても人間としても成長できた。
  • 診療科全体で、オン・オフがはっきりしており、家庭のある自分としては大変働きやすかった。

専門を一度学んでから内科全般を学び直すと、気付くことが本当に多くあります。
専門に一度入り込んでしまうと視野が狭くなってしまう面もあるかと思います。内科全般を学び直したいと思われている方は、経験年数を問わず、一度見学にいらしてください。専門で学んだ知識と経験は必ず生きると思います。

お問い合わせ

お問い合わせ、見学・面接のご希望は、下記のフォームからお願いします。
病院総合医養成プログラム担当者:神谷 亨(かみや とおる)

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